面白い話まとめ
看板 ずさんな領収書の作成 補助金頼りで自転車操業に

=NPO法人蒲生野考現倶楽部補助金問題<中>=

NPO法人蒲生野考現倶楽部「しゃくなげ学校」開校を記念して校名のしゃくなげの苗木を植える当時琵琶湖博物館顧問だった嘉田由紀子知事ら(平成15年4月)

◇東近江
 「悪いけど、先日の電話取材で話したことが全てや。これ以上はもう警察にしかしゃべらへん。帰ってくれ」。地元看板屋の経営者は、取り付く島もなかった。
 本紙の電話取材に対し、同経営者は「平成十八年四月、面識のあるNPO法人蒲生野考現倶楽部(以下NPO法人)の会計責任者H氏が『会計のつじつまを合わせるために、(架空の)領収書を三枚書いてほしい』と訪ねてきた。うちではその一年前に、このNPO法人から“しゃくなげ学校”の道路案内看板の仕事を受注しており、その時の領収書の控えが残っていたため、この金額を参考に『十八年一月二十日付二万八千円』、『同年一月二十五日付二万七千円』、『同年二月二十日付二万八千円』と三枚の領収書を書いて渡した」と答えた。
 これに対しH氏は「当時、NPO法人の総合プロデューサーであった井阪尚司氏(県議)から『補助金(助成金)を受ける時期よりも早く看板を設置してしまったため、これでは補助金がもらえないので、領収書三枚の日付だけを変更しに看板屋へ行ってほしい』と頼まれた。看板屋に書き直してもらった領収書は、井阪氏に渡した」と語った。
 H氏によれば、この事業は同NPO法人「しゃくなげ学校」基盤整備で、(財)淡海文化振興財団「淡海ネットワークセンター」から十七年度に助成(百五十二万円)を受けたとしている。
 井阪氏は本紙取材に「H氏から受け取った看板の領収書は、金額が合わなかったので、結局、使わなかった」と説明した。
 しかし、H氏の話のように日付だけを変えたのであれば、金額が合わないはずはなく、また実際に看板を設置していれば井阪氏の説明のように金額が合わないから採用しなかったでは済まないだろう。その意味で、地元看板屋の証言の方が信憑(しんぴょう)性は高いと言えるかもしれない。
 領収書問題は、実はこればかりでない。十九年度ごろに、森田英二理事長、山岡完右監事ら五人の理事が、別の補助金事業で、井阪氏提出の領収書を総チェックする事態も。
 県内の環境系の市民運動団体を代表するNPO法人蒲生野考現倶楽部。その華やかな活動を支えてきたのは、井阪氏が県や国などから取ってくる補助金だった。 だが事業収入を補助金に頼っても、補助率が総事業費の四分の三などになっている関係で、持ち出しが避けられず、赤字が恒常化していった。このため「身の丈に合った自主事業に切り替えるべき」との声が理事の間でも大勢を占めていく。その延長線上に今回の領収書問題がある。
 H氏は「井阪さんは、“夢追い人”だった。しかし、ほかの会員はついていくのに精一杯だった」と言う。領収書問題は、“夢追い人”ゆえに陥った落とし穴だったのだろうか。
【石川政実】


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