面白い話まとめ
生徒流出で「南高北低」懸念根強く 県立普通科高校の全県1区「維持」

=地域浮揚へ「特色ある学校づくり」正念場=

県教育委員会が入る県庁新館

◇全県
 県教育委員会は、県立普通科高校通学区域の全県1区制の導入から10年経過の検証を行った結果、県民から肯定的な意見が多いとして、「制度維持」を決めた報告案をまとめた。この一方で、優秀な生徒が南部地域へ流出し、学力による序列化が進む現状をみて、「若者が地域に定着しなくなり、過疎化に拍車がかかる」と、深刻な危機感を訴える地域もある。(高山周治)

 全県1区制は、6つの通学区域を撤廃し、2006年度から生徒の居住地に関係なく、ニーズにあった高校を選択できるようになったもの。ただし、学校間の格差が広がるとの指摘が当時からあり、県教委は高校の特色づくりを進めるとしていた。
 県教委の報告案によると、生徒・保護者へのアンケートでは9割が全県1区制に対して肯定的だった。また、南部地域へ生徒が偏るとの懸念については、県教委・学校支援課の担当者は「心配されていた湖北、湖西で、地域外の学校を選ぶ割合は導入前と比べてマイナス5%〜11・7%とそれほど大きく落ち込んでいない」と説明する。
 これに対して湖北選出の県議は「全県1区制は否定しない」と前置きしながらも、「制度導入前後の進学先割合を比較すると、長浜市在住の生徒が湖北地域内に進学する割合は導入前で98%だったのが、導入後は91%に落ち込んだ。全体に対してわずか約7%というが、優秀な生徒数十人が毎年地域外の進学校へ流れてしまえば、長期的にみて地元の伝統校は低落する」と指摘する。
 生徒が他地域へ流れて、地域の源である地元高校で定員割れが続けば、規模が縮小し、統廃合につながる負のスパイラルに陥る。とくに人口減に悩む過疎地にとって深刻な問題だ。このため、生徒を引き付けるため、特色ある学校づくりは重要な課題となっている。
 例えば湖北地域では、進学校である虎姫高校(長浜市)が、世界共通の大学入学資格を取得できる教育プログラム「国際バカロレア」(IB)の導入を進めており、18年度には認定校の申請を行う。
 県教委・高校教育課によると、高校1年生で学習指導要領に沿った学習をした後、2年〜3年で「国際バカロレア」の取得を目指す。英オックスフォード大学など海外の名門大の入学資格となるほか、国内名門でも東京大、京都大などの推薦入試が受けられる。
 また、かつて定員割れが続いていた甲賀市の信楽高校は、12年の高校再編で甲南高校の分校化が検討された。しかし、地元から単独校として存続を強く求める声が上がり、地場産業を生かしたセラミック、デザイン、普通の3系列をもつ学校として再スタートした。
 陶芸家が講師として教壇に立ったり、生徒の全国公募などユニークな取り組みが評価され、この3年は定員割れが解消している。
 県教育委員会・学校支援課の担当者は「まちづくりにも関わるので、市町と連携して魅力ある学校づくりを進めたい」としている。



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