面白い話まとめ
迫るPCBの廃棄期限(上)

=県立高校 PCB使用調査怠る!?=

蛍光灯を取り外して安定器を調べる専門業者

◇全県
 西南女学院大学短期大学部の実習室内で先月30日、授業中に使用している蛍光灯安定器が突然破裂し、強い毒性を持つポリ塩化ビフェニル(PCB)の油が漏えいするという事故が発生している。県も県教育委員会に対し県立高校などに業務用蛍光灯などの安定器の再調査を2015年10月に要請していたが、相当数の学校では同調査をしていなかった可能性が高いことが分かった。(石川政実)

 PCBは、主に電気機器用の絶縁油として使われ、変圧器やコンデンサー、業務用の蛍光灯照明の安定器などに含まれる。1972年に製造が禁止された。

●PCB特措法の改正

 2016年8月に施行されたPCB特措法の改正では、保管されているPCB廃棄物だけでなく、使用中の蛍光灯などのPCB含有の安定器についても期限内の廃棄が義務づけられた。高濃度PCBは京滋地域の自治体や事業所では20年度末、低濃度は26年度末まで。
 特措法ではPCB廃棄物を保管する事業者に届け出を義務づけているが、届け出がなされていないPCB廃棄物や使用中のPCB安定器などが相当数存在する。
 このため現在、国は各都道府県を通じて「アンケート調査」による“掘り起こし調査”を行っている。県(循環社会推進課)は16年3月から、今まで届け出のあった事業所の14倍の7000事業所を対象に同調査を実施中だが、回収率は70%にとどまっている。
 西南女学院大学短大のような事故が相次ぐ問題は一度調査してPCB使用安定器が存在しないとされた建物で起きていること。これはサンプル調査が原因とみられており、環境省では1977年3月までに建築・改修された建物で古い安定器が使用されていないか、蛍光灯等の安定器を一つずつ点検する「全数調査」を求めている。
 県は県有施設についても2015年9月から掘り起こし調査を実施する一方、同年10月には他県での事故を受け、県教委をはじめ各部局に使用中の安定器の再調査を要請した。
 県では「これらは事実上の全数調査ともいえる」と胸をはった。
 ところが本紙が取材した数校の県立高校では「保管しているPCB廃棄物の点検はしたが、使用中の安定器などの調査は県教委から明確な指示がなくしなかった」と話しており、他の学校も同様の対応と推測される。
 県教委学校施設経理係は「1988年度から95年度まで、73年以前の古い建物の学校に蛍光灯などの安定器を調べさせて照明の改修工事を行った。2000年度にも再調査した。調査方法はサンプリング調査か、全数調査かはわからないが、学校によっては、すでにPCBの安定器等は取り除かれており調査の必要がないと判断したと思われる」と釈明。
 しかし専門業者は「たとえ照明設備の入替えを行った施設でも調査すると、古い安定器が配線を切った状態でそのまま残っていることが非常に多いので、最新の全数調査は不可欠」と指摘する。
 県や県教委のもたつきをしり目に、甲賀市は今年度から、市の施設を業者に業務委託して全数調査に踏み切る。


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